青の炎

青の炎 (角川文庫)

青の炎 (角川文庫)

青の炎 二宮和也コレクターズエディション [DVD]

青の炎 二宮和也コレクターズエディション [DVD]

倒叙ミステリが好きだ・・・!
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青の炎は映画公開されていた時期に観に行っていて、その重さや少年の葛藤がツボってわりと好きだったのですが、初めて原作を読みました。映画の詳しい内容は忘れていたけど、秀一が完全に脳内でニノに置き換えられながら読んでしまいました。イメージが残ってたから・・ではないのです、確かに残ってはいたけど。でも・・・すっかり忘れていたのに。ほんの少しだけ残っていたニノの演じる秀一のイメージが、本を読みながらずるずると引き出され思い出されていった・・そんなような感覚でした。 本を読んでる時って読みながら自分のイメージを脳内で思い描きながら読んでいくじゃないですか、その自分で作ったイメージがあまりにも過去に見た秀一@ニノと酷似していて・・・正直驚愕しました。
小説としては、これはかなり好みです・・・!雰囲気の重さだとか主人公の抱える葛藤だとか、・・・何より彼の思考の論理的な構築の仕方や感情の流れがわたしにはとても心地よいスピードで、そういうのってあまり出会えないので「おおお・・!」とゾクゾクするほど。 彼のキャラクタも物凄く好みでした。理屈っぽくてプライドが高くてでも少年の繊細さもあって家族を大事にする優しさもあって。こうと思ったらそれ以外に考えられないある種の幼稚さまでもがとても愛しいとまで思えるほど。・・・でも、とても悲しかった。彼が最後にそうするしかなかったという気持ちすらも「他に何か手があったんじゃなかったのか?」なんて気安く言えないほどに、「・・そうだよね、それしか、ない・・よね・・」と同意したかった。わたしは、同意したかった。そんな気持ちでした。
その後友達にDVDを即効で借りにいき(ありがとう!)、早速みました。おお。覚えている・・!!かなり鮮明に覚えているよ。 小説を読んだあとでは確かにぱっぱっと展開していく速さに悔しくなったり、追加された演出に「・・・?」と思ったりもしたけど、やはり二宮和也というひとは本当にすごい役者だぜ・・・と完敗だった。秀一が本当に秀一だった。もう・・・・そうとしか言えないんだ・・・・。 やっぱり抱きしめたくなるほど子供で大人なこの秀一が、愛しくてたまらなくなりました。だからやっぱり悲しいよ・・・。
青の炎の小説、映画を見た人になら特に薦めたい。彼の思考と感情を一緒に追ってほしい。それにあの論理展開、すげー楽しいぜ・・・。ほくほくする。(←いやほんとにそうとしか言えない・・ぞくぞくとも違う)